シナリオ執筆料の考え方と参考例
シナリオ執筆のギャランティ(報酬)というのは、15年前、10年前と少しずつ変化しています。
ゲームは、数年ごとにプラットフォームを変えます。
15年前はガラケーのゲームアプリで、文字数やメッセージウィンドウが相当限られた状況での執筆でした。
またPCゲーム全盛期でしたので、ボリューミーなシナリオ依頼も多くありました。
最近は、スマホアプリのネイティブアプリが主流です。
15年ほど前、私がシナリオライターを始めた頃には、『1KB=1000円』という謎の平均値がありました。
長年ライターをやっている方でしたら、一度は聞いたことがあると思います。
しかし、プロット代込みでその金額では、かなりの破格です。
いまの時代は専業シナリオライターが主流ですので、その単価では生活が出来ません。
かつて私も駆け出しの頃は、
休日もなく頑張ってシナリオを書いて、年収300万以下だったことがあります。
近年は多種多様なコンテンツの中でも、シナリオの重要性が高まりつつあります。
良質なシナリオが必要不可欠だという認識が広まってきたお陰で、シナリオ単価をしっかりと考えてくださる企業様が増えた印象です。
なのでもし、経験の浅いシナリオライターさんがこのページを見ているのでしたら、
『1KB=1000円』はあくまでも駆け出し価格、お試し価格として考えて欲しいと思います。
この単価だと、頑張って1ヶ月10万文字書いても、20万円しか貰えません。
そしてそれを1年続けても、年収240万円程度です。
そして企業側も、制作費を抑えたいという気持ちが働くこともあると思いますが、
低コストでシナリオライターを使うと、割とすぐに潰れます。
さらに言えば、この低価格で依頼を出しても、良質なシナリオは期待できないと思います。
フリーランスのシナリオライターは、個人事業主でもあるので、自分で値段を設定することが出来ます。
経験年数や実績、得手不得手を踏まえて金額を決めるべきです。
これは私が一概に言うことは出来ませんが、
ある程度の経験を積んだ方のシナリオ報酬は1700円、2000円以上となることもあります。
全体のストーリーの構成料(プロット)となると、1本で30万、50万などもあります。
私は15年以上、シナリオライターをしてきましたので、
恐らくこの見解はそこまでズレたものではないと考えています。
これらを踏まえまして、私の依頼料は以下の通りです。
◆ケース1
シナリオのボリュームがあり、企画・設定・プロットが既にご用意されている場合
1KB=1500円~
◆ケース2
シナリオのボリュームがあり、企画書はあるが、設定やプロットの密度が執筆に入れる状況にない場合
1KB=1700円~
◆ケース2.5
企画のイメージがあるが固まっていない、また設定やプロットがまだ作られていない場合
1KB=2000円~
◆ケース3
アプリに使用する短文がメインのテキスト、またその本数が多い場合
工数を踏まえてグロス(パッケージ)でのお見積もりになります
◆ケース4
シチュエーションボイスなど、大まかな収録時間でご依頼されたい場合
10分程度のテキスト料で1万円~
※ケース1は、実質シナリオを書くだけの状況ですので、比較的すぐ作業に入ることができます。
設定やプロットの書き方は担当者レベルで違う形式になるので、齟齬を防ぐ為ににミーティングの場を設けて頂くこともあります。
少なくとも私の最低保障額は1KB1500円ということになります。
※ケース2.5は稀にありますが、企画だけは既にあり、制作がスタートされているがシナリオ面は未着手。
企画者と共に、設定やプロットの段階から制作しなければならない場合になります。
別途、設定やプロットの報酬を頂ければシナリオ単価は下がりますが、こちらはシナリオ料込みのケースです。
※ケース4の場合。
こちらは以前ご依頼された際に、単価が分かりづらく収録時間で見積もりを頂きたいというケースがありました。
その為、これまで制作してきたボイス台本を元に、収録時間換算したものです。
あくまで一般的なものですが、60分のボイスコンテンツなら10万円前後です。
※例外の事例
シナリオ単価計算だと、月々の支払いが不確定、不安定になる場合があります。
単価でのお支払いではなく、人月計算による請負も、ご相談の上で可能となります。
業務委託契約で月45万以上が目安となります。
上記は全て、参考例として書いたものですので、まずはご相談頂きたいです。
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